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人事労務コラム

助成金

公開日:2025.05.24

最終更新日:2025.05.27

人材開発支援助成金で企業の成長を加速

人材開発支援助成金で企業の成長を加速

人材育成に課題を感じている企業様は必見です!本記事では、人材開発支援助成金について詳しく解説します。助成金の概要から申請方法、活用事例まで、人材育成における費用負担の軽減や従業員のスキルアップを実現するためのポイントをご紹介します。

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1.人材開発支援助成金とは?

人材育成に力を入れている企業にとって、大きな味方となるのが「人材開発支援助成金」です。この助成金は、企業が従業員に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練に要した経費や訓練期間中の賃金を一部補助する制度となります。人材育成に積極的な企業を後押しすることで、日本の経済活性化や国際競争力の強化に貢献することを目的としています。具体的には、従業員のスキルアップやキャリアアップのための研修費用などを助成対象としており、企業の負担軽減と、より効果的な人材育成を促進しています。

1-1.助成金の概要と目的

人材開発支援助成金は、中小企業や特定の条件を満たす企業を対象に、従業員の能力開発を支援する助成金となります。その目的は、企業における人材育成の促進、従業員のスキルアップによる生産性向上、ひいては日本の経済活性化にあります。少子高齢化が進む中、人材育成は企業の成長や国の発展に不可欠な要素となっています。この助成金は、そうした課題解決に貢献するための重要な施策と言えるでしょう。

1-2.対象となる企業・従業員

助成金の対象となる企業や従業員には、いくつかの条件があります。具体的には、雇用保険の適用事業所であることや、従業員の雇用形態などによって申請資格が異なります。また、助成金の対象となる研修内容も一定の要件を満たす必要があります。詳細については、厚生労働省のホームページや、専門機関への問い合わせが必要になりますが、それぞれのコースで対象となる企業や従業員に違いがあるので、確認していきましょう。

【対象となる企業の条件】

まず、「人材開発支援助成金」を申請できる企業には、以下のような条件があります。

雇用保険適用事業所であること

助成金の対象となるには、雇用保険の適用事業所であることが必須です。つまり、正社員や一定時間以上働くパート・アルバイトが雇用保険に加入していることが前提となります。

具体例:
・正社員5名とパートタイマー3名が雇用保険に加入している飲食店
・技術職社員10名が在籍し、全員が雇用保険に加入している製造業

適切な労働環境が整備されていること

適切な労働環境が整備されていることが求められます。例えば、就業規則や労使協定が整備されていることが条件となる場合があります。

法令遵守をしていること

労働基準法や雇用保険法など、労働関連法令を遵守している企業であることが求められます。

【対象となる従業員の条件】

次に、助成金の対象となる従業員には以下のポイントがあります。

雇用保険に加入していること

正社員だけでなく、一定以上の勤務時間があるパートやアルバイトも対象となる場合があります。

研修内容が職務能力向上に資するものであること

受講する研修や訓練が、業務に直接関連する内容であることが必要です。一般教養や趣味的な研修は助成対象外となるため注意が必要です。

具体例:
・正社員が受講するリーダーシップ研修
・週30時間勤務のパート社員が参加する接客スキル研修

1-3.助成金の金額と支給率

助成金の金額や支給率は、申請するコースや研修内容、企業規模などによって異なります。基本的には、研修費用の一部が助成される仕組みとなっています。助成率はコースによって異なりますが、費用の約70%から最大100%を補助してもらえるケースもあります。

【例:「人材育成支援コース」を利用して社員研修を実施した場合】

  • 研修費用が100万円かかった場合
  • 最大で70万円が助成される可能性があります。
    → これにより、企業の自己負担額は30万円となり、大幅なコスト削減が実現できます。

詳細な情報は、申請前に関係機関や専門家に問い合わせることが重要です。また、助成金を最大限活用するためにも、最新情報の確認をおすすめします。

参考:生労働省「人材開発支援助成金を利用しやすくするため令和7年4月1日から制度の見直しを行いました」

2.助成金の3コースを解説!

人材開発支援助成金は、大きく分けて3つのコースから構成されています。それぞれに特徴があり、企業の状況や育成目標に合わせて最適なコースを選択することが重要です。以下、それぞれのコースについて詳しく見ていきましょう。

2-1.人材育成支援コース

このコースは、従業員の能力向上を目的とした研修や教育プログラムに要する費用を助成するものです。具体的には、外部機関が実施する研修への参加費用や、社内研修の講師費用、教材費などが対象となります。従業員のスキルアップを図り有期契約労働者等の正社員化を促進することが可能となります。幅広い研修内容に対応できるため、多様なニーズを持つ企業にもおすすめです。

2-2.教育訓練休暇等付与コース

従業員が教育訓練のために休暇を取得した場合、その間の賃金を助成するコースです。また、企業が教育訓練を受講するための休暇制度や時短勤務制度を導入した際にも助成金が支給されます(企業単位で1回限り)。従業員の学習意欲を高め、自己啓発を支援したい企業に適しています。社員のモチベーション向上、そしてスキルアップによる生産性向上を目指す企業にとって、大きなメリットとなるでしょう。また、休暇取得を促進することで、従業員のワークライフバランスの改善にも繋がります。

2-3.人への投資促進コース

人材育成のための投資全般を支援するコースです。研修費用だけでなく、人材育成のためのeラーニング訓練の導入費用や、メンター制度の構築費用なども対象となる場合があります。またDX化を推進するため、より高度なスキルを習得する訓練や、IT分野未経験者を即戦力化するための訓練など時代の流れに乗った訓練が助成の対象になっています。より体系的で持続的な人材育成体制を構築したい企業に最適なコースです。

以上のように、それぞれコースによって、対象となる研修内容や申請条件などが異なります。自社の状況やニーズあったコースを選択し、助成金を活用しましょう。具体的な条件や申請方法は、厚生労働省のウェブサイトでの確認や、専門家へ問い合わせをすることをお勧めします。各コースのメリット・デメリットを比較検討し、最適なプランを選択することが、助成金を最大限に活用する鍵となります。

3.申請方法と必要書類

人材開発支援助成金の申請は、GビズID*を作成し電子申請を利用するのが一般的です。申請手順は、大きく分けて以下の5つのステップに分けられます。スムーズな申請のため、事前に必要な書類を準備し、内容をしっかりと確認しておきましょう。

*GビズID:GビズIDは、法人・個人事業主向けの共通認証システムです。

GビズIDを取得すると、1つのID・パスワードで、複数の行政サービズにログインできます。

アカウントは 最初に1つ 取得するだけで、有効期限や年度更新の必要はありません 。(令和3年8月現在)

3-1.申請手順と必要書類

GビズIDにてアカウント作成

Gビズホームページへアクセスし必要事項を入力の上、アカウントを作成します。(オンライン申請であれば最短即日発行が可能)
GビズIDには、GビズIDプライム、GビズIDメンバー、GビズIDエントリーという3種類のアカウントがありますが人材開発支援助成金にはGビズIDプライムのアカウント作成が必要となります。

申請書類の確認および作成

アカウント作成後、厚生労働省のホームページより申請書類をダウンロードします。
申請するコースごとに計画書の提出時と支給申請を行う際に必要な書類が確認できます。

(例)人材開発助成金申請時に必要となる書類一覧
・計画書提出時
職業訓練実施計画届、訓練別の対象者一覧、人材開発支援助成金事前確認書、事業所確認票、訓練対象者が被保険者または有期契約労働者等であること及び職務内容が確認できる書類、キャリアコンサルティングについて規定した労働協約(写)、就業規則(写)または事業内職業能力開発計画(写) など

・支給申請時
支給要件確認申立書、支払方法・受取人住所届、支給申請書、賃金助成・OJT実施助成の内訳、経費助成の内訳、OFF-JT実施状況報告書 など

それぞれの書類に必要事項を漏れなく正確に記入しましょう。
特に、事業計画書などは、具体的かつ、実現可能な内容にすることが重要です。

※記入事項に不備があると、申請が却下される可能性がありますので、ご注意ください。

必要書類のアップロード

記入が完了した申請書類と、必要書類をオンラインシステムにアップロードします。
ファイル形式やサイズなど、システムの指示に従ってアップロードしましょう。

申請内容の確認と送信

アップロードが完了したら、申請内容に誤りがないか、確認しましょう。問題がなければ、申請内容を送信します。
送信後、受付番号などが発行されますので、大切に保管しましょう。

申請結果の確認

申請後、審査が完了すると労働局よりメールにて審査結果が通知されますので、結果をオンラインシステム上で確認します。なお、審査完了以外にも申請内容に対して疑義がある場合に、労働局より「〇〇に不備があるので〇〇の資料を添付してください」等のコメントが届く場合にもメールが届きますので、メールを見落とさないようにチェックするようにしましょう。

万が一メールが確認できない場合でも、審査状況の進捗はオンラインシステム上から確認することができます。
※結果通知には、通常、数週間から数ヶ月かかります。

3-2.申請期限と注意点

申請期限は通常、訓練終了日の翌日から2ヶ月以内となります。また、訓練実施計画書等一部書類につきましては訓練開始日から起算して1ヶ月前までの提出が必要となります。必要な書類が多く複雑な場合があるため、余裕を持って準備を進めましょう。

申請にあたっては、以下の点に注意しましょう。

  • 提出書類は全て正確に記入し、不備がないか
  • 申請内容が助成金の趣旨に沿っているか

これらの点に注意することで、申請が円滑に進むとともに助成金受け取りにも繋がります。不明な点があれば厚生労働省ホームページから情報を確認し、解決しないようであれば各都道府県にある労働局助成金センターへ問い合わせてみましょう。

4.人材開発支援助成金を最大限に活用するためのポイント

人材開発支援助成金は、企業の人材育成を強力に後押しする制度ですが、申請や活用にはいくつかのポイントがあります。この章では、助成金を最大限に活用し、効果的な人材育成を実現するためのポイントを解説します。

4-1.研修計画の立て方

助成金の申請にあたっては、研修計画の明確化が非常に重要です。単に研修を実施するだけでなく、研修目標、内容、実施方法、効果測定までを具体的に示す必要があります。漠然とした計画では、申請が却下される可能性が高いため、以下の点を意識しましょう。

  • 明確な研修目標の設定
    研修によって従業員にどのようなスキルを習得させたいのか、具体的な目標を設定しましょう。数値目標を設定することで、研修効果の測定も容易になります。
  • 研修内容の精密さ
    研修内容は、目標達成に必要な内容に絞り込み、効率的なカリキュラムを設計しましょう。外部講師の活用やeラーニングの導入も検討する企業の例も多くみられます。
  • 効果測定方法の決定
    研修後の効果を測定するための方法を事前に計画しましょう。アンケート調査、試験、業務パフォーマンスの評価など、適切な方法を選択することが重要です。
  • 予算の明確化
    研修にかかる費用を明確に把握し、助成金の申請額を正確に算出しましょう。必要経費を詳細に記載することで、申請の信頼性を高めることができます。

4-2.申請書類作成のポイント

申請書類は、企業の取り組みや研修計画を正確に伝える重要な手段です。不備があると申請が却下される可能性があるため、細心の注意を払って作成しましょう。申請書類作成においては、以下の点に注意が必要です。

  • 正確な情報の記載
    申請書類には、正確な情報、事実を記載しましょう。虚偽の記載は、申請の却下だけでなく、ペナルティが科される可能性があります。
  • 提出期限の厳守
    提出期限を必ず守りましょう。期限を過ぎると申請が受理されない可能性があります。
  • 必要書類の確認
    必要な書類が全て揃っているか、事前に確認しましょう。不足している書類があると、審査に時間がかかったり、却下される可能性があります。

4-3.その他留意事項

助成金の申請・活用にあたっては、上記以外にもいくつか注意点があります。

  • 費用負担の取り扱い
    人材開発支援助成金において、訓練費用の助成を受けるには、訓練等に要した経費を支給申請までに申請事業主が全て負担していることが要件となっています。
    教育訓練機関等から全額または一部につき減額となる金銭の支払いを受ける場合や返金を受けた場合には、その額については支給対象経費には該当しないので注意しましょう。
  • 担当者との連携
    申請手続きや助成金の活用に関する不明点は、わからないままにせず専門家に相談したり、担当者に積極的に問い合わせたりしましょう。
  • 内部体制の整備
    申請手続きや助成金の活用に関する不明点は、わからないままにせず専門家に相談したり、担当者に積極的に問い合わせたりしましょう。

以上のようなポイントを踏まえ、費用対効果の高い人材育成の場を実現しましょう。万が一、申請に不安がある場合は、社労士のような専門家への相談も検討することをお勧めします。

5.よくある質問

人材開発支援助成金に関するご質問を、いくつかまとめてみました。申請を検討されている企業様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

Q:人材開発支援助成金を申請するための条件を教えてください。

A:人材開発支援助成金を申請するには、雇用保険の適用事業者であることが必要です。さらに、コースによっては従業員数や事業内容、資本金などの条件が設定されている場合があります。

また、以下の事業者は支給対象外となりますので注意が必要です。

・過去5年間に不正受給を行った事業者

・申請をする年度の前年度以前に労働保険料の支払いをしなかった事業者


Q:助成金の金額はどのくらいになりますか?

A:助成金の金額は、申請するコースや研修内容、従業員数などによって異なります。以下に主要なコースの例を示します。

・人材育成支援コース

従業員(雇用保険被保険者)に対して、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施した場合、訓練に要した経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。​

―経費助成:​中小企業の場合、訓練に要した経費の45%が助成されます。​

―賃金助成:​中小企業の場合、訓練期間中の賃金の一部として1時間あたり760円が助成されます。​

・教育訓練休暇等付与コース

従業員が教育訓練を受けるための休暇制度を導入し、実際に適用した場合に助成が受けられます。

 ‐教育訓練休暇制度:​3年間に5日以上の有給教育訓練休暇を導入し、適用した場合、1事業主あたり30万円が助成されます。

 ‐長期教育訓練休暇制度:​30日以上の長期教育訓練休暇を導入し、適用した場合、1事業主あたり20万円が助成され、さらに休暇中の賃金として1時間あたり960円が助成されます。 ​

また、コースによっては助成金額に上限が設定されている場合や、条件を満たすことで割増分が追加支給される場合もあります。詳細な金額については、各コースの要綱を確認し、申請前にシミュレーションを行って見込み金額を把握することが重要です。​


Q:助成金申請書類の提出方法はどうすればいいですか?

A:申請書類の提出方法には、オンライン申請と郵送申請の2つがあります。

・オンライン申請

 必要書類をスキャンしてアップロードするだけなので、手続きがスムーズに進みます。

・郵送申請

 締め切りに間に合うよう、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。

どちらの方法を選択する場合でも、事前に必要な書類を揃えることが大切です。特に、提出期限を守らないと申請が受理されない場合があるため、注意が必要です。


Q:助成金の使い道や、不採択になった場合の対応について教えてください。
A:助成金の使い道については、コースごとに異なるため、厚生労働省のウェブサイトやお近くのハローワークで詳細を確認しましょう。不採択になった場合も、理由を確認して再チャレンジすることが可能です。

上記は一例です。その他にもご不明な点がありましたら、社会保険労務士法人第一綜合事務所へお気軽にお問い合わせください。 皆様の円滑な人材育成をサポートできるよう、最善を尽くしてまいります。

6.人材開発支援助成金を活用して企業の成長を加速させよう

本記事では、人材開発支援助成金について、その概要から申請方法、活用事例まで詳しく解説しました。人材育成は企業の成長に不可欠ですが、費用面での負担は少なくありません。しかし、この助成金を有効活用することで、費用を抑えつつ効果的な人材育成を実現し、従業員のスキルアップと企業の競争力強化を同時に達成することが可能です。

3つのコースそれぞれに特徴があり、企業の状況やニーズに最適なコースを選択することが重要です。申請手続きは複雑に感じるかもしれませんが、本記事で紹介した手順と必要書類を参考に、一つずつ丁寧に進めていけば問題ありません。 申請にあたっては、事前にしっかりと計画を立て、効果的な研修プログラムを設計することが成功の鍵となります。 また、成功事例と失敗事例を参考に、自社にとって最適な活用方法を見つけることも重要です。

人材開発支援助成金は、単なる資金援助にとどまらず、企業の成長を加速させるための手段です。 従業員の能力向上に投資することで、企業の生産性向上、顧客満足度向上、ひいては持続的な成長へと繋がります。 本記事で得た知識を活かし、ぜひ貴社の成長戦略に人材開発支援助成金を組み込んでみてください。

もし、申請に関するご不明な点や、より詳細な情報が必要な場合は、社会保険労務士法人第一綜合事務所へお気軽にお問い合わせください。 積極的に情報収集を行い、人材育成への投資を最大限に活かしましょう。

この記事の監修者

社会保険労務士法人第一綜合事務所
社会保険労務士 菅澤 賛

  • 全国社会保険労務士会連合会(登録番号13250145)
  • 東京都社会保険労務士会(登録番号1332119)

東京オフィス所属。これまで800社以上の中小企業に対し、業種・規模を問わず労務相談や助成金相談の実績がある。就業規則、賃金設計、固定残業制度の導入支援など幅広く支援し、企業の実務に即したアドバイスを信念とする。

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