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人事労務コラム

外国人雇用

公開日:2025.05.31

最終更新日:2025.06.02

特定技能って何?雇用する場合の注意点などを社労士目線で徹底解説!

特定技能って何?雇用する場合の注意点などを社労士目線で徹底解説!

外国人雇用を検討している企業や,その中でも特定技能外国人の雇用を目指している方は必見です。この記事では,特定技能1号と2号の違い,試験対策や専門家のサポート内容,最新情報について,社労士目線から詳しく解説します。

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1.特定技能とは?制度の基礎知識

特定技能とは,日本国内で深刻化する人手不足に対応するために作られた在留資格のひとつです。特定の分野において,一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れることで,現場の労働力を補う制度として設けられています。

1-1.特定技能制度の目的

特定技能制度の目的は,慢性的な人手不足に悩む産業分野を支援し,日本の経済活動を活性化させることです。

従来の在留資格は,主に技能や専門性の高さに基づくもので,人手不足そのものを直接の理由としたものは存在していませんでした。その中で特定技能は,日本の労働市場の構造的な課題に正面から向き合い,人材確保を目的とした初めての制度として,画期的な位置づけにあります。
また,よく耳にする「技能実習」の制度との違いについて簡単に触れておきます。

技能実習制度
日本で技術・知識を習得し母国の経済発展に役立てる「国際貢献」が目的

特定技能制度
日本国内における「即戦力」としての外国人材の活用を前提としており,より実践的な役割を担ってもらうことが目的

なお,外国人労働者の受け入れをめぐっては,長年運用されてきた技能実習制度が見直され,新たに「育成就労制度」へ移行することが決定されています(施行日は「2024年6月21日から3年以内に政令で定める」とされており具体的な施行時期は未定です。※2025年6月時点)。

育成就労制度は,単なる人材供給にとどまらず,外国人が日本でキャリアを積み,将来的に特定技能などの在留資格へ移行できる仕組みを構築することを目的としています。

このような制度改革も,特定技能制度と同様に,日本の労働力不足という構造課題に対応する国の方向性を示すものといえるでしょう。

1-2.特定技能で受け入れ可能な分野

特定技能の対象分野は,人手不足が深刻な16分野に限定されています。どんな業種でも良いという訳ではないので注意しましょう。受け入れ可能な分野は以下の業種です。また,それぞれの分野で,特定の技能と日本語能力を有していることが求められます。

特定技能で就労可能な16分野一覧(2025年4月時点)
介護 / ビルクリーニング / 素形材産業 / 産業機械製造業 / 電気・電子情報関連産業
建設 / 造船・舶用工業 / 自動車整備 / 航空 / 宿泊 / 農業 / 漁業 / 外食業
飲食料品製造業 / 自動車運送業 / 鉄道 / 林業 / 木材産業

※自動車運送業,鉄道,林業,木材産業の4分野は2024年に追加され,特定技能1号のみが対象です。
※特定技能の対象分野は拡大傾向にあり,今後も日本の労働市場の状況に応じて見直される可能性があります。
※特定技能の対象となる分野別の仕事内容は,出入国在留管理庁のホームページでも公開されています。

1-3.特定技能ビザの種類

特定技能ビザには,1号と2号の2種類があります。それぞれ在留期間の違いや,将来的に永住権の申請が可能かどうかなど違いがあります。下記にて詳しく見ていきましょう。

対象分野求められる技能在留期間家族の帯同永住申請日本語能力
特定技能1号16分野(介護・建設・農業など)基礎的な技能(試験または技能実習からの移行で証明)累計5年(5年経緯化後は在留資格を変更するか,帰国する必要あり)×不可×不可一般的な日本語能力が必要
特定技能2号11分野(宿泊・農業・外食業など)高度な技能(試験合格や就労経験で証明)上限なし※更新申請の許可されることが必要〇可能〇可能高度な日本語能力が必要

注意点として,特定技能ビザの取得にあたり,いきなり2号を取得することはできません。必ず特定技能1号の経験を経て,その後ステップアップという形で2号を取得する流れとなります。

また,特定技能1号では,原則として家族の帯同は認められていませんが,特定技能2号は,一定の条件を満たせば,配偶者や子の帯同が認められます。これは,2号が長期的な就労を前提としているため,家族との生活を考慮したものです。

参考:出入国在留管理庁「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」
   出入国在留管理庁「特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)」

1-4.特定技能制度のメリット

特定技能制度は,企業と外国人労働者の双方にとってメリットが多くあります。いまや単なる「外国人雇用の枠」ではなく,企業の人材戦略・外国人のキャリア支援・日本経済の活性化を同時に実現する制度となっています。

企業側のメリット

人手不足を解消
深刻な人材不足分野に,即戦力となる外国人労働者を受け入れることができる

専門人材の活用
ビザの制度設計が分野特化型のため,自社に合ったスキルを持つ人材に絞って採用できる

生産性・競争力向上
高度な技術を持つ外国人材の活躍が,企業の成長を後押しすることができる

外国人労働者側のメリット

キャリア形成の機会
日本での実務経験を通じて,技術・知識・経験を習得できる

日本語・日本文化の習得
日本社会への適応が進み,より安定した生活が送れる

将来的なキャリアアップ
特定技能1号から2号への移行が可能で,長期的な就労や報酬アップも期待できる

以上のように,特定技能制度は様々な側面でのメリットがあります。
これらの助成制度については,別コラム「人材開発支援助成金で企業の成長を加速」で詳しく紹介していますので,併せてご覧ください。

こうして,多国籍人材の受け入れによる多様性のある社会づくりにも寄与し,地域・企業に活力を与えることが期待されています。

2.特定技能の試験内容

特定技能ビザを取得するためには,各分野で用意されている試験に合格する必要があります。試験の内容や実施時期,方法は分野によって異なります。ここでは,特定技能試験の全体像について解説します。

試験が免除される人もいます

特定技能1号を取得するには,通常は技能試験および日本語能力試験(またはそれに準じる試験)に合格する必要がありますが,以下に該当する場合はこれらの試験が免除されます。

① 技能実習2号を良好に修了した場合
技能実習制度で2号を適正に修了した外国人は,同一分野の特定技能1号への移行に際し,技能試験・日本語能力試験の両方が免除されます。
※ただし,分野によっては要件が異なるため注意が必要です。

② 育成就労制度(※今後施行予定)に基づく一定の就労経験がある場合
将来的に技能実習制度が「育成就労制度」に移行した際には,一定の評価や修了要件を満たした外国人について,同様に特定技能への試験免除措置が講じられる予定です。

③異なる分野・職種に移行する場合
技能実習2号を良好に修了していても,技能試験の免除はありませんが,日本語能力試験は免除される場合があります(分野による)。

2-1.試験内容の詳細

特定技能試験に合格するためには,日本語力と専門的な技能を確認する2種類の試験に合格する必要があります。

1. 日本語能力の試験

目的:職場での基本的なコミュニケーション力を確認するため
主な試験
・JFT-Basic(日本語基礎テスト)
・JLPT(日本語能力試験)N4以上が一般的
※分野によっては,N3レベルなどより高い日本語力が求められる場合もあります。

2. 分野別の技能試験

目的:就労予定分野における専門知識・実務能力を測定するため
試験形式
下記のいずれか,または両方(分野によって異なる)
・筆記試験
・実技試験
※試験内容も,分野によって異なります。
例)介護:介護の知識やケア技術
建設:安全管理・作業工程の知識など

分野によっては公式サイトなどで試験対策テキストやeラーニングを公開しています。また,実施時期や受験資格などは変更になる場合もあるので,試験に関する最新情報は管轄省庁や実施期間の公式サイトで確認するようにしてください。 各試験の詳細は,管轄省庁や実施機関の公式サイトで最新情報をチェックしましょう。

3.社労士によるサポート内容

専門的な知識と経験を持つ社労士は,特定技能ビザを持った外国人の採用から労務管理,退職に至るまで,幅広く継続的なサポートが可能です。この章では,スムーズな外国人雇用の実現のために,社労士が対応できることを説明します。

3-1.社労士に依頼できる業務内容

特定技能ビザを持つ外国人の雇用にあたって,社労士に依頼できる業務は多岐にわたります。以下にて,主な対応業務をご紹介します。

※外国人雇用のジャンルについては,社労士の業務範囲外である在留資格等に関する高度な知識が必要なため,専門知識を持ち合わせていない社労士が多いことにも注意が必要です。ご依頼の前に,依頼したい業務の情報にどの程度詳しい社労士であるかの確認をすることをお勧めします。

労働条件通知書の作成・修正

  • 外国人労働者向けに適切な雇用条件を明記,また,修正や助言等
  • 特定技能に特化した契約書の作成の対応,助言
  • トラブル予防と安心して働ける職場環境整備のための相談

就業規則の作成・変更

  • 企業の実情をヒアリングし,外国人雇用を踏まえた就業規則の作成・修正対応
  • 法改正による対応・助言や,外国人労働者向けガイドラインの反映をサポート

労務管理の相談対応

  • 労働時間・賃金・休暇・安全衛生など幅広い相談対応が可能
  • 外国人特有の悩みや,制度の違いにも専門的なアドバイスが可能

助成金申請のサポート

  • 外国人雇用に関連する各種助成金の申請代行・支援
  • 教育訓練や正社員化支援など,企業のコスト削減のための相談・助言

その他の労務サポート

  • 労働保険・社会保険の手続き
  • 労働基準監督署・ハローワークへの連携対応等

あわせて,企業の担当者様が持つお悩みとして,「特定技能ビザの申請代行」が挙げられます。ビザ申請に関しては,社労士ではなく,行政書士等の専門家の業務分野となります。

第一綜合グループには,グループ内に行政書士も多数在籍しているため,特定技能ビザの手続きから雇用後のサポートまでワンストップ対応が可能です。行政書士と社労士の連携により,外国人雇用をスムーズに進めたい企業の皆様を全力でご支援いたします。

まずは相談からでも構いません。お気軽に当社までお問い合わせください。

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3-2.社労士に依頼をするメリット

外国人雇用や,特定技能制度を利用する企業様にとって,社労士へ依頼することで多くのメリットを享受することができます。具体的なメリットは以下にてご説明します。

1. 専門知識と経験による安心サポート

労務・社会保険の専門知識と実務経験に基づく,的確なアドバイスを受けることができます。また,法改正にも対応した最新情報を入手することが可能となります。

2. 各種申請・労務手続きの代行で負担軽減

複雑な助成金の手続きや,書類作成を社労士が代行します。例えば助成金の場合には,申請までに様々な要件を満たすために社内の整備も行う必要があります。書類の作成だけでなく,社内整備に関する助言まで一貫したサポートが受けられます。そのため,担当者の事務負担を大幅に削減し,本来の業務に集中することが可能となります。

3. コンプライアンスの強化とトラブル予防

労働基準法等の各種法令を企業側が遵守できるように,こまめな情報共有や相談できる環境を整備してもらえます。加えて,就業規則や契約書を適宜整備することにより,労使トラブルを未然に防止することも可能となります。

4. 外国人労働者の定着率アップ

社労士による正確な雇用契約書の作成や労務管理によって,外国人社員の満足度向上につながり,結果的に優秀な人材の長期雇用へとつなげることも可能となります。

当社では,社労士によるサポートだけでなく,グループ内の行政書士と連携することで,外国人雇用の起点となる採用と,その後のビザ申請,また人材開発のための助成金サポートまで,一貫して対応することが可能です。そのため,多くの企業が抱えている,外国人労働者の長期雇用に対する課題解決に向けて,シームレスに対応いたします。もちろん,特定技能制度も例外ではありません。

企業様のお悩みに合わせたご提案をさせて頂きますので,まずはお気軽にお問い合わせください。

4.まとめ

本コラムでは,特定技能制度の概要から,試験内容,社労士によるサポート内容まで,企業が外国人材を受け入れるうえで必要な知識を幅広く解説しました。

特定技能は,日本社会の深刻な人手不足という構造課題に対応するために創設された制度であり,外国人労働者にとってもキャリア形成の大きなチャンスとなります。一方で,制度の理解不足や手続き上のミスは,トラブルや定着率の低下を招く恐れもあるため,正確な制度理解と万全な受け入れ体制の構築が重要です。

特定技能制度の導入・運用についてお悩みの方は,ぜひ第一綜合グループにご相談ください。制度導入から定着支援まで,実務に強い社会保険労務士と行政書士が連携し,企業様を全力でサポートいたします。
特定技能を理解し,外国人雇用を成功させましょう。

この記事の監修者

社会保険労務士法人第一綜合事務所
社会保険労務士 菅澤 賛

  • 全国社会保険労務士会連合会(登録番号13250145)
  • 東京都社会保険労務士会(登録番号1332119)

東京オフィス所属。これまで800社以上の中小企業に対し、業種・規模を問わず労務相談や助成金相談の実績がある。就業規則、賃金設計、固定残業制度の導入支援など幅広く支援し、企業の実務に即したアドバイスを信念とする。

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